AV女優と男優の恋愛はダメ?AV業界の暗黙の了解

2023年12月14日

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AV業界は、日本にあるさまざまなお仕事のなかでも、かなり特殊な世界です。
性に関連するお仕事はあまり表で語られることがないので、業界の情報があまり表に出てきません。
だからこそ、AV女優と男優の恋愛が禁止されているなどの業界特有ともいえる暗黙の了解がたくさんあります。
この記事では、AV業界での恋愛事情など、さまざまな暗黙のルールをご紹介します。

AV女優と男優の恋愛はダメ

恋愛 ハートAV女優は、AV男優だけではなくスタッフやカメラマン、マネージャーなど、AV製作のお仕事に関わっている男性との恋愛が禁止されています。
特に、AVの場合はAV女優とAV男優は撮影でセックスをすることになるので気をつけないといけません。
一度セックスをしてしまうと、気持ちが強くなってしまったり好きになってしまったりする女性が多いように、AV女優をやっていると特定の男優に対して恋愛感情が芽生えてしまうこともあるようです。
恋愛をしてはいけないという暗黙のルールがある理由は、業界内に彼氏を作ってしまうと仕事に身が入らなくなってしまったり、AVというお仕事をしていることに対する自己嫌悪を抱いてしまったりするAV女優が多いからだと言われています。

実際、風俗業界でもそうですが、プライベートで特定の男性に対して恋愛感情をもってしまうと仕事をする気になれなくなる女性は多いでしょう。
だから、AV女優が所属している事務所によっては、契約に「恋愛禁止」と明記しているところもあります。
ただし、アイドル業界でよく言われるように「恋愛禁止」という契約は基本的な人権を侵害しているものなので、たとえ契約違反をして裁判沙汰になったとしても、AV女優がそれを理由に罪を問われる可能性はほとんどありません。
しかし、業界内の慣習を破ってしまうと、契約を解除されてしまったりお仕事を回してもらいにくくなってしまったりするなどのリスクがあるので、AV女優として働いている間は恋愛禁止を守らざるをえません。

また、風俗業界と同じように、恋愛禁止はAV女優だけに適用されているわけではなく、スタッフなども含めた男性側にも適用されます。
もしAV女優と付き合っていることがバレた場合、男性側も契約違反で違約金を請求されてしまうかもしれませんし、仕事をクビになってしまう可能性があります。
だから、AV業界では、AV女優もAV男優などの男性スタッフ達も、お互いに恋愛をしないように気をつけて仕事をしています。

AV女優の契約と給料

お金 金AV業界は、普通のお仕事のように会社に雇用されて毎月お給料をもらうようなシステムになっていません。

普通のお仕事のように毎週特定の日時に働くようなお仕事ではなく、撮影が入ったら仕事をするという流れなので、契約や給料も特殊なシステムになっているのです。

ほとんどのAV女優はAV事務所に所属する

ほとんどのAV女優は、AV事務所やプロダクションに所属をしてお仕事をします。
自分が直接AV監督やAV製作メーカーからお仕事をもらうのではなく、事務所やプロダクションを通して撮影のスケジュールを入れてもらうということです。
つまりAV製作のお仕事は、AV製作メーカーが、AV監督を決めて、事務所やプロダクションに出演者をオファーするという流れが基本になっています。

超人気のAV女優や、グラビアやアイドルからAV業界に入ってきたような話題性があるAV女優は、事務所ではなく製作メーカーと専属契約をしています。
専属契約をするとそのAVメーカー以外のメーカーが販売する作品には出られない代わりに、1本あたりのギャラが高くなり、「1年間の間毎月1本撮影」などのような長期的なお仕事を決められることになります。
ただし、専属契約を結べるのはほんの一握りの人気AV女優だけなので、たいていのAV女優は事務所やプロダクションに所属することになります。

AV事務所の掛け持ち登録は禁止

AV女優が複数の事務所を掛け持ちすることは禁止されています。

事務所によって契約内容は違いますし、ダブルブッキングなどになってしわないように、一つの事務所に所属している方がお仕事がスムーズに回るからです。
もし所属している事務所に不満がある場合は移籍することもできますが、契約書で契約期間が定められている場合は、その途中でやめようとするとトラブルになってしまうこともあります。

給料は手渡しが多い

AV女優のお給料は月給制ではなく、ほとんどの場合は撮影終了後にその都度手渡しで受け取ることになります。
AVの撮影は、普通のお仕事のように働くタイミングが決まっているわけではありませんし、人気次第でお仕事の数が変わります。

だからAV事務所に所属しているだけで安定してお給料をもらえることが無い代わりに、人気女優になれば破格の金額を稼げる可能性もあるのです。

ギャラを他のAV女優に話してはいけない

秘密 女性AV女優は、自分がもらったお給料について他のAV女優に話してはいけない、という暗黙のルールがあります。
AV女優のお給料は製作メーカーが事務所に支払った金額からマージンを引かれて手渡されることになるのですが、事務所によってマージンが違うので、同じAVに出演しても受け取る金額は一人ひとり違います。
お互いにその金額を話すのが禁止されているのは、もしAV女優同士がお互いのお給料について知ってしまうと、事務所への不満につながってしまう可能性があるからです。

マージンは事務所によって違う

製作メーカーから事務所に支払われた金額の中から、事務所は手数料を引いてAV女優に渡します。
この手数料は事務所によって異なります。
基本的にはマージンは少ないほうがAV女優が受け取れる金額は高くなりますが、高いマージンを取る代わりに寮を用意してくれたり、送迎をしてくれたり、美容整形代を負担してくれたりするなどの条件がある事務所もあります。

AV業界のルールを整備している「適正AV」とは

2016年ごろからAV女優の「AV出演強要」が社会問題になってきました。

実際、AV出演を強要された人がいるという問題だけではなく、AV業界は独自の慣習で成り立っている面が多いので、さまざまな業界の問題点が指摘されてきました。
そこで、AV女優の権利を守るために、2017年に「AV業界改革有識者委員会」という組織が結成されたのです。
適正AV」はこの有識者委員会が定めた基準に従って制作されるAVのことです。
今後、適正AVは増えていくことが予想されるので、AV女優が業界の暗黙の了解によって苦しめられることは減っていくと言われています。

そして、2017年10月4日に、2018年1月から実施される適正AVの新ルールが発表されました。
適正AVでは主に以下のルールが適用されます。

共通契約書

これまで、AV出演の契約書は事務所と女性が独自に結んでいたので、「AVに出演する」ということが明確に書いてないものもありました。
結果として出演強要などの問題が発生していたので、適正AVではAV出演にあたっての共通した契約書が使用されることになりました。

第三者意思確認書

AV女優の中には、自分の意思に反して金銭的理由や脅迫によってAVに出演していた方もいました。
そのようなことがないように、適正AVでは「表現者ネットワーク(AVAN)」という組織が女性の意思を確認しないと契約を結べないことになりました。

作品使用期限の規定

AVは、発売された後に複数の作品をまとめて収録したオムニバス作品がよくリリースされます。
また、最近ではインターネット配信などで、何度も同じ作品が販売されています。

このようなAVは今までは使用期間の制限がなかったので、AV女優を引退して一般人に戻り結婚した女性などにとっては、いつまでも消せない過去として残ってしまっていました。
そこで適正AVでは、使用期限を5年として設定しています。

2次使用料

オムニバスやインターネット配信の売上は、これまではAV女優に還元されていませんでした。
しかし、適正AVではこのような場合でもAV女優に2次使用料が支払われるように規定されています。

まとめ

AV業界での恋愛事情など、さまざまな暗黙のルールをご紹介しました。
AV業界では、AV女優と業界内の男性が恋愛関係になることは禁止されています。
また、契約やお給料についても暗黙の了解がいくつもありますが、最近では業界ルールの整備が進んでいます。